陰陽五行説
「気学」という言葉自体は明治〜大正の時代から言われているものですので、比較的近代に成立したもののように思えますが、基となっているのは古代の中国で発生した陰陽五行思想です。

この古代の中国人は、自然界には人間の生活に大きく作用し影響を与える「気」というものがあると考え、人間を含めたあらゆるものの形や働きもすべて気から成り立ち、この気が動いたり止まったり、行ったり来たり、循環したりすることによって、四季の変化や、万物の生誕、成長、消滅が生じると考えたのです。

日本には6世紀頃から、陰陽五行思想に基づいた暦や天文などに関する知識がもたらされ、それ以降、私たち日本人の暮らしの中に日々息づいている身近な思想です。

陰と陽のふたつの気は、互いに引き合ったり往来したりしながら消長盛衰を繰り返し、そこから生じた五つの気が循環と作用を繰り返しながら、この自然界のバランスを保っていると考えます。そして当然、その自然界の一部である人間の存在にも、大きな影響を与えているというものです。
 九 気
気学においてメインとなって使われる九気も、古代中国の伝説に由来し、気の盛衰と循環の法則をあらわす洛書という九星図が基になっています。

自然界のものすべてがこの九気に分類され、陰陽五行説とも密接に絡み、社会情勢や人間の運勢、方位などに配当されて、吉凶が占われてきました。
 
一年の季節変化も陰陽五行説で説明されるものなので、一ヶ月や一日の考え方もそれに基づいており、太陽と地球の位置関係で決まりますので、一般的に使われているカレンダーとは少し違います。
 方 位
占いはおもに未来を予測するためのものですが、気学は予測に加えて、その未来が自分の望みの方向に少しでも近づくよう、積極的に開運する手段を持っています。

そのために重要な位置を占めるものが、方位です。

良い方位に出向き、良い気を浴びて自分の能力や運気を高めると同時に、運気を下げる悪い方位はなるべく避けるという生活を、少しづつでも続けていけば、安心安全な生活に近付いていきます。
 家 相
方位と同様に、自分の能力や運勢に影響をもたらすのが、住んでいる家の形、家相です。

家の形状、間取り、家具の配置によって、その家には様々な気が宿ると考え、それにはそこに住む人にとって、良い気であったり悪い気であったりします。

現代の住宅事情では、完璧に良い家相というのは難しいかもしれませんが、最悪もしくは、自分の運勢上の欠点を増幅させてしまうような家相は、避けたいものです。
 哲 学
この自然界を支配するの気の盛衰や循環の法則は、社会の動き、身近な物事の推移、人間関係などにおける根源的なルールにもあてはまりますので、それを深く理解することによって、各人の思想や信条を成り立たせ、社会に対して向き合うときの精神的支柱となり、悩みや迷いを遠ざけるものでもあります。

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